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自己満足で勝手に楽しむ日記

楽しいことの寄せ集め。

【BOOKレビュー】『宇宙と宇宙をつなぐ数学』加藤文元

数学の世界でも最先端の研究の一つと言われている

「IUT理論」(宇宙際タイヒミュラー理論)というものの概略解説の本。

 

宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃

宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃

 

 

 

「IUT理論」とは何ぞや?よりも、著書の導入部分の、

数学の世界の話が、私にはとても面白かった。

 

数学の研究の世界も、その辺一般の世の中と同じだと。

新しい理論が発見されたとき、

それがあまりにも難しすぎて、

誰にも理解できないと、

数学の研究者たちの間でも、

そっぽを向かれてしまうらしい。

 

だから、そうならないように、

研究の段階から、

一人で籠って黙々と研究を進めるのではなく、

少しずつ少しずつ、仲間と考え方をシェアしあいながら研究を進めて行って、

理解できる人を少しずつ増やしながら研究を進めて行き、最終的に世の中に公表する、と。

 

そうしないと、

誰も理解できない研究を、

ただ一人で展開する宇宙人扱いとなってしまうんだって。

突然難解な論文を一人で発表しても、

宇宙語を誰も理解できないと。

 

だから、研究者に大切なのは、

研究だけでなく、

コミュニケーション能力だったり、

研究の内容を、

いかに人に分かりやすく説明できるか、

いかに面白く、人に興味を持ってもらえるように説明できるか、

っていう能力もとても大切らしい。

 

結局、数学の世界も、どこの世界も、

「人との関わり」なんだな、と。

 

 

 

そして、そもそも、「数学」というものは、

中学高校で学ぶ範囲だと、

もう、完成しきった分野のようにも思えるけれど、

まだまだ完成していなくて、

今もどんどん新しいことが研究されているということ。

物理学の研究者の本でもそんなことが書かれていたが、日々新しい研究結果が発表されていて、

誰がいち早く決定的なすごい発見を発表するか、

熾烈な競争が行われているんだってね。

 

 

***

 

 

この本の中盤では、

素数とはなんぞや?の説明から文章でなされていて、

高校数学をすっかり忘れてしまっている私でも、

理解しやすいように書いてあった。

 

「ABCトリプル」という、素数を使った数遊びのような式。

ABC予想を使って、フェルマーの最終定理の証明がしてあった。

 X^n  +  Y^n = N^n

nが3以上の自然数のとき、この式を満たす(X,Y,Z)は存在しない。

背理法(偽であることを仮定して、その結果が矛盾することで、正を証明する。
ここ↑では、「この式を満たす(X,Y,Zは存在する)という仮定」)

で解説してあった。

 

ABCトリプルの数遊びみたいな仕組みは分かったけれど、

それを、何故にフェルマーの最終定理に適用しているのかとかが、

よく分からなかった。

 

***

そして本題のIUT理論。

これも概略だけだったけれど、とても不思議な感覚がした。

 

右に向いて(r)→右に向くと(r)→後ろを向く(b)ことになる。

   rr=b

この「後ろを向く(b)」という状態は、

左を向いて(l)→後ろを向いて(b)→右を向く(r)という方法でも実現できる。   lbr=b

 

何だかよく分からないけれども面白そうな考え方。

従来の「足し算と掛け算」の概念を取っ払ったものなんだって。

この一連の構造を「群」とか言うんだって。

 

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パズルに、形の違うピースを当てはめようとする理論。

連想ゲームの連想から、モノを認識するような世界。

 

なんだかよく分からないけれど、

単一の舞台での作業ではなく、

複数の舞台での作業。宇宙を含めた作業ってことになるのかな。

 

一読しただけでは最後のあたりは特に難しかったけれど、

なんとなく、こういう世界があって、今までの概念をぶち破ろうしていて、

面白い世界が繰り広げられているよ、っていうことは伝わってきた。

 

 

 

 

 

 

 

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