久しぶりに小説を読んだ。
少し前に、実家から引き取った私の文庫本本棚の文庫本約130冊の中に、
私が買った覚えの全くない小説が、一冊紛れ込んでいたんだ。
私は、明治大正時代の文豪の小説が好きで、
そういう作品ばかり揃えていたのだけれども、
絶対私が買わない、最近の作家の、
(最近の作家の本は、もっぱら図書館で借りるのでね^^)
しかも、「ドラマ化された」という帯が付いている小説。
なんでこの本が、ここにあるのか??
私の実家家族は、私以外、殆ど本を読まない。
だから、買うはずが無いし、私の本棚に入れるはずもない。
私が気分が変わって突然買ったのだろうか???
・・・全く記憶にない。
本の出版年を見ても、約15年前。
15年前といえば私も実家を出ている。
弟が試しに買ったのか?いや弟も実家を出ていたし、いややはり、
私が自分で買って、帰ってきたときに本棚に入れたけれど、
忘れているのか??
全く分からない。きっと、弟に聞いたところで、15年前のことなど
覚えていないだろう。
まぁ、どういう経緯か分からないけれど、
ここに文章があるのならば、とりあえず読んでみるか、と、
なんとなく本を開いてみた。
そしたら、これが!!!!
ちょっと、これ、読みたくないのに(爆)、読まずにはいられない!!!
止まらない!!!
ってなって、一気に最後まで読んでもうたわ(笑)。
でも、内容は・・・・・。
映画の選択を失敗して、終わった後に呆然とした~~~~~
ってなる気分というのは、こういう感じなのだろうかと、
映画をめったに見ない私も思ったくらい、
時間喰ってもうた~~~~~~~~~・・・・!!!!
という感想を持った(笑)。
こんな感想を持ったのは、久しぶりだ。
まず、時代が15年前。
随分、今と感覚が違っている。
明治大正の文学作品は、もう、古典のような昔過ぎて、
現在の自分と重ね合わせることなく、
文学作品として読むけれど、
こんな、中途半端に今の時代に近い小説だと、
今の生活と、どうしても重ね合わせて読んでしまう。
15年前の、恋愛、結婚、出産、育児の模様が、
当時の男女の関係とともに描かれているが、
感覚が古すぎて、なんか変な感覚がした。
この小説のテーマは、
「バリバリキャリアウーマンの美しい女性」と、
「できないオタク男性」との
恋愛、結婚、出産、育児の話で、当時としては斬新な話だったのだと思われる。
バリバリキャリアウーマン女性が外では完璧だが蓋を開けてみると内情は凄かった!という、結婚ホラー小説(笑)とも言われている。
だが、もう、結婚も出産も新生児育児も終えた私には、
なんだか突っ込みどころ満載で。
きっとこれ、結婚前に読んだら、面白かっただろうけれど、
時代遅れすぎ感が半端なかった。
それなのに、何故か読み進めるのが止まらなかった。
読みやすい文章でもあったし、
流行作家の作品でもあったというのもあるのかもしれない。
(どうでもいいけれど(笑)、
確かに今、20年前くらいのトレンディドラマ(←このネーミング自体が古い・笑)を
YouTubeとかでちらっと見ても、
時代の古さにおののく。
何よりも、
女の地位の低さに驚く。
誰かが、東京ラブストーリーの再放送を見て、
「このドラマに登場している男たちって、なんでこんなに偉そうなんだ?
この時代はみんなそうだのか?」
って感想を書いてあるのを見たことがあるが、
そうなんだ。
この時代は、そんな時代だったんだ。それが普通だったんだ。
10年前、15年前ともなると、
もう、全然、今と、常識が違う!!!
でもこれと同じようなことを、
これから先、10年後、15年後にも言っているのかもしれないけれどね。
読んだ直後、時間喰った感(笑)はあったけれど、
本棚の前にしゃがみこんで一気読みしたし、
吸い込まれるように読んだのは事実^^。
たまには、こんな感覚も、面白いのかもしれんね。
当時、このドラマがどんな反響だったのか、知りたいわ~。
読んだ本は、これ。
今これみても気づいたけれど、
これ集英社文庫やね。
私、個人的には新潮文庫が好きだから、
集英社文庫を買うことなどめったにない。やっぱりこの本、
どこから来たのか謎だわ(笑)。
新潮文庫は、しおりになる紐が付いているのと、
紙質と字体と、本の天の部分がぎざぎざになっているのが好き。