法律事務の仕事をやって20年になる。
時々思うのが、
ミスをしない人間になるのが目標なのではなく、
いかにミスをしないように「工夫」するか、
それを積み重ねてきた日々だったなぁ、ということ。
私が事務所に入って3年目ぐらいに、
ちょっと大きめの恥ずかしいミスをしてしまって、ボスに報告したとき、
ボスが最初に言ってくれた言葉が、
「人間はミスをする生き物ですから、
ミスが発生する仕組みならば、仕組みの方を変えればいい」というもの。
そして、ボスは、私を責めることなく、その場でその仕事の仕組みを変えてくださった。
人間である限り、ミスはするものであって、
それは、無くそうとしても無くそうとしても、
ある一定の所まできたら、それ以上どうすることもできない部分もあるし、
ミスに対して落ち込んでいる時間があったら、
次、どうするかの工夫の基にすればいい。
そうしていたら、
ミスの数だけ、工夫の数も積み重なっていく。
私のデスクマットの下は、ミスの再発防止のために自分で書いた
メモでいっぱいである(笑)。
私も基本、おっちょこちょいな性格なので(笑)、
どうしてもどうしても、うっかりを発生させてしまうのだけれども、
もし発生してもリカバリーできるような工夫、
発生しても、未然で食い止められるような工夫、
そもそも発生しないような工夫を、常に常に、考えるようにしている。
そして、ミスを補い合える、
職場の信頼関係。
ミスが発生した場合、ミスをした本人を責めるのではなく、
そもそもの指示の仕方、環境、状況の方を考える。
そういう風潮が根底にある。
私はこの職場で、たくさんの事を教わったし、
助けられてきたということを、改めて思い起こした。