数学専門塾の先生がブログで紹介していらっしゃった本。
上・下巻ある文庫本で、かなりのボリューム。
翻訳文なのでかなり読みにくかったが、
下巻最後のあとがきで、作家さんが総まとめをしてくれていて、それが一番分かりやすかったかもしれない。
今まで研究されてきたあらゆる心理学、
親の影響や、出生順位などを、
悉く否定する内容。
「こう育てたらこうなるよ」というような、
脅しに近いような統計結果が、今までたくさん公表されてきていたけれど、
それらは、誤解だよ。
子育て神話に親たちは怖れを抱いてきたけれど、
親の影響よりも、子どもは、子どもの周りの影響、
子どもの育つ集団の影響の方が、大きいよ、
といった内容。
従来の研究結果を一つ一つ示し、
それに一つ一つ反論する形で展開される。
私も子供が生まれたばかりの頃、
愛着行動の実験として
アカゲザルを使った実験結果の話だとか、
何度も見たし、
アドラー心理学の家族布置(兄弟の出生順位)の
話などにも何度も触れてきた。
でもそれらは、先入観を持って実験した結果であったり、統計の取り方に不自然さがあったりして、
こんな例外もあるし、こんな例もあるよ、
ということを、
双子を用いた実験や、色んな例を用いて解説されていた。
親としては、ほっと胸をなでおろす内容かもしれない。
それと同時に、親の影響よりも、
子の所属する集団の重要さに少し慄いたかもしれない。
この本の内容について、
夫と話をしてみた。
最初の数ページを読んだだけで
当たり前すぎて読む気にもならないと一蹴された(笑)。
子育て神話に最初っから、はなっから捕らわれてない人から見ると、
子育て神話を否定する必要もなく、
当たり前の話なのかもしれないな。